ついに我が家に犬がやってきました。たくさんいる中から、選んだ1匹。これから家族になる1匹。いよいよ新しい生活の始まりです。
いざ施設へ
今回我が家が犬を迎えるにあたって、ペットショップではなくアニマルシェルターを持つ施設に行きました。そこでは保健所などに持ち込まれ、殺処分待ちになっている犬や猫を引き取り、里親を探すだけでなく、先天性疾患や身体障害などを持ち譲渡が難しい犬や猫の終生飼育も行っているようです。
アニマルシェルターとは
アニマルシェルター部門の外見的な活動は、里親募集をする子犬仔猫を保護飼育すると共に里親探しに不適な犬や猫を終生保護収容して殺処分を避けることです。
NPO法人犬と猫のためのライフボート
我が家が選んだ施設は『NPO法人犬と猫のためのライフボート』さんです。このブログやライフボートさんのことを簡単に紹介するページを作りました。ぜひそちらもご覧下さい。
行きは高速を使わずに下の道で行くことにしたのですが、休日ということもあり混んでいました。最終的に2時間半ほどかかって到着しました。帰りはワンちゃんも一緒なので高速を使って帰ることにしました。
到着すると部屋の外で飼育されている少年犬や成犬がたくさん吠えていました。少年犬とはワクチン接種や避妊・去勢手術が終わったまだ成犬になっていない若い犬のことだそうです。
ワクチンを3回接種する前の子犬は免疫がまだできていない為、外に出すのはNGとのことで、建物の中のケージで飼育されています。
ライフスタイルなどのチェック
時間になると犬の面会を希望する方が、我が家を含めて3家族集まり施設に入りました。施設内のプレハブに入り、それぞれの家庭に対して質問がありました。面会希望の連絡の時に記述した内容を元に、質問が進んでいきます。
- 家族の中に犬アレルギーを持っている人はいるかどうか
- 散歩は1日何回、何分くらいを計画しているか
- 室内で飼うか、室外で飼うか・・・などなど
いくつかの質問が終わると、犬と面会するにあたってや犬を飼うことについての注意点や確認事項、そしてライフボートさんについてなどのお話をいただきました。ペットを飼うということは楽しいことばかりではない、これから15年以上付き合っていく中で最期まで責任を持って看取ることができるかなど、とても大切なお話です。
たくさんの犬、犬、犬!!
お話が終わるといよいよ面会です。まずは成犬や少年犬の紹介がありました。やはり子犬に比べると引き取られる数は少ないようです。特殊な事情がある子、けっこうな年になっている子。それでも他の犬たちと暮らしながら里親さんを待っています。
奥に進んでいくと子犬を飼育しているプレハブがいくつかあり、その中のケージで元気に飛び跳ねている子犬たちがいました。あらかじめホームページで確認していたので、見たことがある顔が並んでいます。積極的に近寄ってくる子もいるし、隅っこで様子を伺っている子もいます。
基本的には保健所から引き取っているので、どういう経緯で保健所に預けられたかまでは分からないそうです。飼い主が亡くなってしまったり、捨てられてしまったり、言うことを聞かないからというのが主な理由ですが、詳細は分かりません。
我が家も色々な犬を見て回っているうちに、1匹の子犬に目がとまりました。白にすこしベージュが混じった子犬です。怖がらずに寄ってくるけれども、がっつくわけでもなく比較的落ち着いていました。手を出せばぺろぺろとなめてきますが、周りの積極的な犬と違って暴れまわるわけでもありません。
子どももこの子が気に入ったようで、他の犬を見てもまた戻ってきます。私も妻もこの子の距離感というか雰囲気が気に入り、抱っこさせてもらいました。嫌がるそぶりもなく、おとなしく抱っこされて愛想を振りまいてくれたこの子に決めることにしました。
各種証明書と活動の為のお金
引き取る犬が決まると、この子が接種したワクチンや投薬、避妊・去勢手術をした証明書をもらえます。我が家が選んだ子はオスで、2015年の12月上旬に生まれた子です。去勢手術と2回のワクチンを終えています。3回目のワクチンを3月の終わりごろにする必要があるので、近くの動物病院を探しておきます。
また、狂犬病予防の注射を接種したときにもらえる登録番号、行政機関への犬の登録をしたときにもらえる鑑札番号をライフボートさんに連絡する必要がありますので、後日完了次第忘れずにするようにします。
ペットショップと違い、基本的には犬そのものにお金はかかりません。ですが、非営利団体のライフボートさんがこれからも活動をつづけていくため、ワクチン代や手術代などの諸費用として30000円を払います。
最後に引き取った犬のことをブログに書いていくうえで、ライフボートさんのことも紹介していいか聴いたところ、快諾していただけました。さらにこのブログもぜひ見たいということで、後ほどURLをメールすることを約束しました。引き取られた犬や猫のその後についてはなかなか知る機会がないとのことで、この子がどんな風に成長していくのか楽しみにしていますと、おっしゃってくれました。
新しい生活のはじまり
犬を引き取り、新しい家族となりました。娘は一人っ子。2人目の計画は難しいと思っていたので、そういった意味でも犬が家族として加わるというのは良かったと思います。これから長い年月、ともに暮していく中で、たくさんのドラマが生まれるでしょう。
帰り道は最初の試練
帰り道は高速を使ったものの2時間近くの長い長いドライブです。犬も当然車酔いをしますし、大きな音や振動にも慣れていません。我が家が引き取った犬もしきりにキャンキャン鳴いていました。
準備をしていたドライブ用ボックスに固定する為、首輪をつけたのですが特に嫌がることも無くおとなしくしていました。車が動き出すとさすがにその変化に気づいたのか乾いたあくびを繰り返しながら鳴き始めました。しばらく続いたものの疲れたのか眠りました。移動中時折起きては鳴きましたが、大半は寝ていてくれたので何とか自宅まで無事に帰ってこれました。
ドッグフードは何を食べていたのか聞いてから購入するつもりだったので、休憩もかねて途中でペットショップに立ち寄りました。
ライフボートさんではわりと何でも食べるということで、市販のドライフードであれば問題ないとのこと。とりあえずは子犬用のドッグフードとしつけ用のおやつ、爪が鋭いのでやすりを購入しました。ドッグフード、気に入るかどうかは帰ってから・・・。
最初の食事は順調
しつけのため、人間の食事が終わった後にドッグフードの準備をします。家についてからはとりあえず部屋の中を自由に歩かせてみました。しきりに匂いをかいで回り、ここは安全なところなのか確認しているようです。
水を用意するとすぐに飲み始めました。車での移動でかなり喉が渇いていたのでしょう。特におびえる様子もなく順応していきます。
車の中で名前をみんなで考えました。しつけのことも考えつつ呼びやすく、混同しにくく、理解しやすいもの。見た目が雲のようにフワフワだからということで、「クー」と名づけました。犬にとっては「よく聴く言葉」くらいの認識なので、あくまで名前と言う概念は人間側の都合ですが、やはり名前が決まるとぐっと愛着が増します。
そして、いよいよ食事の時間。気に入ってくれるだろうかという心配をよそに、ガツガツ食べてくれました。餌入れにたくさん入ったドッグフードはみるみるうちになくなっていきます。5分も経たずに空っぽになってしまいました。
とりあえずは食事と言う関門を突破しました。ペットを飼うときの関門としてはどの動物も共通して食事があると思います。魚にしろ、小動物にしろ、環境が変わったなかで、食事をするかどうかというのは緊張の瞬間です。
クーはすばらしい食べっぷりでした。脇目も振らずに食べ続けました。普段ライフボートさんでは9時と15時に食事だということで、いつもより遅い夕飯でお腹がすいていたこともあるでしょう。とにかく、一安心です。
トイレは長い目で
我が家では室内のトイレとして、以前飼っていたモルモットのケージを使うことにしました。子犬のうちは周りの囲いがある状態で、なれてきたら土台だけにする予定です。
食事の後、観察をしていると部屋の探索の続きを始めました。カーテンの裏に隠れたのもつかの間、水が滴る音が聞こえてきました。おしっこです。
家族3人、あらかじめ約束事を決めてあり、たとえ粗相をしても声をあげないことにしてあります。「あー、おしっこしちゃった!!」と叫べば、おしっこをすれば飼い主が喜んでくれると勘違いし、そこら中にするようになってしまいますし、叱ればおしっこそのものが怒られたと勘違いし、隠れてするようになってしまいます。
おしっこが終わって少し待ってから、クーを別の部屋に連れて行き、その間に掃除をしました。ペットシートに吸わせた後、トイレのすのこの下に入れました。
犬は匂いを覚えていて、そこで用を足す習性があるためです。
その後、おしっこをしてしまった床はきちんと掃除をして消臭しておきます。トイレトレーニングはすぐにできるものではないでしょうから、ゆっくり構えていきます。
夜、ちょっとした奇跡が
初日の夜、おしっこの後にウンチもしました。おしっこと同じような場所でしたので、念入りに消臭をしておきます。
その後、しばらくしてからのこと、今まで入ったことが無かったトイレのケージに興味を示し、中に入りました。自分のおしっこの匂いがするので気になったのでしょう。どうするのか見守っていると、くるくる中で回った後に何とおしっこをしたのです。
正直こんなに早くトイレを覚えるとは思いませんでした。思いっきりほめてあげました。今後もまだまだ失敗は続くでしょうが、大きな一歩です。失敗には寛大に。そして成功にはうんと褒めてあげることを徹底していきます。
夜鳴きはしたものの
夜、ドライブ用ボックスに毛布をいれて寝室に置きました。クーをそこに入れてメッシュの蓋をして就寝です。真っ暗になってしばらくするとバタバタと暴れながら鳴き始めました。メッシュの蓋は隙間があるので、そこから懸命に出ようとしています。
しばらく放っておいたのですが、とうとう出てきてしまいました。夜鳴きに対して構ってしまうと夜鳴きが止まらなくなってしまいます。メッシュの蓋ははずして自由に行き来できるようにだけして就寝しました。
夜鳴きが続きましたが、やがて疲れたのか静かになって眠りました。ベッドから少し離れたところにおいたボックスには入らず、私の足の近くで眠ったようです。明日からはそこにボックスを置いてみようと思います。
無事に初日が終わった
半日とはいえ大きく環境が変わったクーにとっては長い長い1日だったでしょう。それでもご飯はバクバク食べ、出すものは出し、夜も寝てくれました。なれるスピード、早いように思えます。これからゆっくりゆっくり家に慣れて行って、すこしずつしつけを行っていきます。
これから末永くよろしくね、クー。